2009年5月2日、初老の美術教師・坂口雅彦(リリー・フランキー)は、ラジオから流れる訃報に思わず声を失った。「ミュージシャンの忌野清志郎さんが亡くなりました」。坂口の脳裏に、高校時代の記憶が鮮やかによみがえる──。
1969年4月、坂口雅彦(渡辺大知)は都立日野高校に入学する。1年生の夏、テレビで見たRCサクセションというバンドに衝撃を受け、ボーカルの忌野清志郎が同じ高校の3年生だと知り憧れを募らせる。ある日、屋上で隣の高校の女子生徒・永嶋美智代(中条あやみ)と出会った坂口は、なぜか「清志郎」と間違われ、その日から「清志郎」を演じ続けることになる。そんな中、慕っていた美術部教師・小林晴雄(田辺誠一)から清志郎の秘密を教えられる……。